1-3 遺言の確認と検認

はじめに
遺言には7つの形式があります。
そのうち、大部分は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つです。
「公正遺言証書」以外は家庭裁判所での検認・開封が必要となります。
遺言の検認・開封手続の大切な理由
検認申立て期限の定めはありませんが、すみやかに行ってください。
遺言書を家庭裁判所に提出しなかったり、その検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所以外において開封をした場合は、五万円以下の過料という行政罰を受けます。
しかし、遺言自体は無効とはなりません。
ただ、遺言書を偽造、変造、破棄や隠匿した人は、相続欠格者となります。
相続欠格者となると、法律上の、相続人の資格を失います。
欠格者は同時に受遺者としての資格も失うため、遺贈を受けることもできません。
この場合、相続欠格者は代襲原因にあたりますので、欠格者の子は代襲相続することができます。
遺産相続は、公序良俗に反しない限り、遺言の内容が優先します。
ただし、遺留分を侵害する部分は遺留分減殺請求の対象になり得ます。
相続開始後に相続人全員(遺贈があれば受遺者も含む。)で遺言と異なる遺産分割協議を行うことはできます。
不動産や金融機関での名義変更の際、遺言書による相続手続きをするときには検認が終わっていることが求められます。
申し立て手続
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本及び住民票(念のため)をそろえて、家庭裁判所に相続の開始後遅滞なく検認の申し立ておこなってください。
検認手続は申し立てから短くても1か月程はかかると思います。
遺言の発見が遅れた場合であっても、相続税の申告期限10カ月は延長されないことにも注意が必要です。
手続の詳細は家庭裁判所で確認をお願いします。
遺言の確認と検認の重要さについてご理解いただければ幸いです。
今回は以上です。