都市計画法と土地評価にはどのような関係がありますか
1 都市計画法とは
都市計画法は、総合的な街づくりを計画的に行い、都市環境の保全と機能の向上を図るための法律です。
土地の評価額に大きな影響を及ぼす「都市計画区域」や「都市計画」などを定めています。
「都市計画」は、「用途地域」や「都市計画施設(道路や公園など)」などを定めています。
2 都市計画区域のポイント
区域区分は、道路・公園・下水道などの基盤整備を効率的行い、良質な市街地の形成を図る目的で定められました。
日本の国土
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① 都市計画区域 (26%) | 区域区分 あり | ② 市街化区域 (4%) |
③ 市街化調整区域 (10%) | |||
区域区分 なし | ④ 非線引き都市計画区域 (12%) | ||
⑤ 準都市計画区域 ( ? %) | |||
⑥ 都市計画および準都市計画区域外の区域 (74%弱) |
① 都市計画区域・・・・・・計画的に都市を造っていくために知事が指定した区域で、国土の26%ほどを占めています。
② 市街化区域・・・・すでに市街地となっている区域、または概ね10年以内に優先的、計画的に市街化される区域で、国土の4%ほどですが、人口の70%程度が住んでいます。
③ 市街化調整区域・・・・・市街化を抑制する区域で、国土の10%ほどを占めています。人口の約10%程度が住んでいます。
④ 非線引き都市計画区域・・市街化区域や市街化調整区域という区域区分が定められていない区域で、国土の12%ほどを占めており、人口の約17%程度が住んでいます。
⑤ 準都市計画区域・・・・・都市計画区域外のうち現に相当数の建物があり、土地利用を制限することなく放置すると、将来都市としての整備、開発、保全に支障が生じる可能性がある区域のことで、幹線道路の沿道付近や将来の発展可能性が高い区域に指定されるようです。
⑥ 都市計画区域および準都市計画区域外の区域・・・原則、建物を建築確認を受けずに建てることができます。ただし、例外がありますので事前の確認が必要です。
確認先は、都市計画課および建築指導課です。
3 用途地域のポイント
用途地域は、都市計画法で、都市計画区域または準都市計画区域内で定めら、建築物の用途ごとに12種類の地域に区分されています。
目的は、各地域内に種々雑多な建築物が混在するのを防ぐためです。
非線引き都市計画区域および準都市計画区域では用途地域が定められている地域と定められていない地域があります。
なお、市街化調整区域では原則定めないこととしています。
都市計画では、用途地域と各地域内の「建築物の容積率」などを定めます。
建築物に関する具体的な基準(建築物の用途や、規模、構造など)については、建築基準法の制限を受けることになります。
4 土地評価と都市計画区域、用途地域の関係
1 都市計画区域区分の影響
(1)市街化調整区域内の土地評価
(2)市街化調整区域内の雑種地のしんしゃく割合
(3)広大地判定における著しく大きいかどうかの目安となる開発許可面積
に影響を及ぼします。
2 用途地域の影響
用途地域により基準容積率の算定が異なってきます。
基準容積率は、
(1)広大地判定
(2)都市計画道路予定地の補正率
(3)容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地
の評価に影響を及ぼします。
5 都市計画道路および予定地
「都市計画道路」は、都市計画法に基づき将来造られる道路のことです。
「都市計画道路予定地」は、将来道路用地として買収されることが都市計画法によって決められた土地で、建築制限があるため評価減の対象となります。
評価上の減額要素の説明の際に改めて触れたいと思います。
以上です。